我々は何を魅せられているのか

さて、本日の1冊は「聲の形」作者が放つ、話題の最新作。


大今良時 著 「不滅のあなたへ」1巻


おそらく1月のコミック売上ランキングでも首位にくるんじゃないかと
思われるくらい話題の、大型新連載であろう今作。


期待たっぷりで読みましたとも。
いやあ、上手いね。ストーリーもなんだけど、何よりも舌を巻くのは
画面構成力と空気感の作り方。

聲の形」のときから独特の空気感があるなあと思ってはいたけど
今回も凄い。凄いというより怖い。ほんの少し狂気じみたものも感じる。


『それは はじめ 球だった』
そう、この漫画の主人公は球なんだよね。
なんじゃそりゃ?!
読むまで意味がさっぱりわからなかったけど
こういうSFを何て呼ぶんでしょうか。
無機物SF?昔だったら冨樫先生とか藤崎竜先生とかが
書きそうな、変化球SF。(球だけに)
前作から考えると、挑戦してきたなあという印象。
むしろ知名度も上がって、描きたいものを描かせてもらえるように
なったってことなのかな。


とにかく、1話目の完成度がすごい。
読み切りのつもりで描いてたのかもしれない。
語り始めから最後のオチまで、見事に描き切っていて
もうこれだけで話完結でいいんじゃないかと思ってしまう。
まるで映画を見ているかのようなコマ割りとストーリー展開。
テンポも上手いんだよなあ。
2話目からの転調とか、最後の4話目に繋がるわくわく感とか。
漫画の作り方が本当に上手いなあと感心してしまう。
圧倒的画力なんだが、よく週刊誌でやっていけるなあ。
筆が早いタイプなのかしら。


ここまで褒め倒してきて、更に書いてしまうけど、
装丁が素晴らしいんだよね。本屋で見たとき、ああ欲しいこれ、と
思わされる表紙。最近の流行とは少し違うけど、タイトルと絵のバランスも
すごくいいし、何より色味が最高。こだわって調整したんだろうなあ。
紙の漫画で勝負するなら、やっぱりパッケージにもこだわりたいよねー。


読み応えたっぷりな1冊でした。もちろん続刊も楽しみにしています。


さて、明日は何について書こうかなあ。
ニーナさんあたり書いておくかな。